2025.12.08
アスリートは、運動量が多く、強度も高いため、一般の人に比べて免疫が低下しており、感染症にかかりやすい状態にあります。
激しい運動により、免疫が低下することを「オープンウィンドウ」といいます。
これは、軽い運動では運動中に免疫機能の向上がみられるものの、
運動後にはほぼ元通りになるのに対して、激しい運動では運動中に免疫機能が一時的に向上するものの、
運動後は邀しい運動のストレスによって免疫機能が著しく低下することを指します。
また、激しい運動により低下した免疫機能は、回復するまで数時間~数日を要し、この期間は感染症などにかかりやすくなります。
そこで、スポーツ医学の分野では、免疫機能の指標として「SIgA(分泌型免疫グロブリンA)」を用いています。
これは、唾液や涙、鼻汁、母乳、腸管液などに含まれる抗体であり、病原体の侵入を防ぎ、体を守るために重要な役割を担っています。
唾液中のSIgA含有量は、心理的ストレスや運動強度との関連性が示されており、運動強度が高いほど分泌量が低下します。
そのため、SIgAはアスリートのコンデションの指標として、活用されています。
激し過ぎる運動は、かえって免疫を低下させてしまうため、自分にあった適度な運動をすることが大切です。



