免疫機能を十分に発揮させ、健康を維持するためには「食事」「睡眠」「運動」の3本柱が重要になります。
食生活を整えよう
食べることは、生きていくうえでもっとも基本的なことですが、免疫機能も体の一部である以上、栄養状態によって大きく変化します。
様々な健康情報が行き交う中で「〇〇を食べれば風邪をひかない!」「がんに効くのは〇〇!」といったように、特定の成分を持ち上げる傾向にあります。しかし、これだけを食べれば免疫機能が高まるといったような食材や栄養素はありません。逆に、栄養素の偏りは免疫機能を低下させてしまいます。
まずは、炭水化物・タンパク質・脂質の三大栄養素やビタミン・ミネラルを加えた五大栄養素をきちんとバランス良く摂取することが大切です。基本となる栄養素が土台としてしっかりあるからこそ、食物繊維や乳酸菌などの健康成分が効果を発揮することができます。
<食生活で意識すること>
●十分なタンパク質を摂取する
肉や魚、乳製品、卵、大豆製品などに含まれる「タンパク質」は、免疫細胞を作る材料になり、免疫機能を高めるために重要な栄養素です。また、タンパク質を多く含む食品には、鉄や銅、亜鉛、カルシウムなどの「ミネラル類」も豊富に含まれているため、免疫機能の向上に貢献してくれます。毎食、不足なく摂取するようにしましょう。
●様々な種類の野菜や果物を摂取する
野菜や果物に含まれる「ビタミン類」や活性酸素を除去する「抗酸化物質」は、免疫を維持するうえで欠かせない栄養素です。これらの栄養素は、単独で摂取するよりも、いくつかの栄養素を同時に摂取することで、強く効果が現れることもあります。免疫機能を高めるには、食材の量を意識するよりも、食材の種類を意識して摂取するようにしましょう。
●海藻類やきのこ、発酵食品を積極的に摂取するこれらの食品には「食物繊維」が豊富に含まれています。食物繊維は、腸内細菌のエサになったり、排便を促したりと、体にとって嬉しい働きがあります。
特に、めかぶやなめこなどヌメリのある食品には「水溶性食物繊維」が多く含まれています。水溶性食物繊維は、腸内でゲル状に固まる性質があり、腸壁を刺激して蠕動運動を促し、便税を改善する効果があります。その結果、腸内環境を整え、免疫機能の向上に繋がります。
さらに、ヨーグルトや納豆などの発酵食品には、善玉菌の一種である「乳酸菌」が多く含まれています。腸内で善玉菌の割合が高く、腸内バランスが整っているほど、免疫機能を高めることができます。また、乳酸菌の一種であるビフィズス菌には、細胞膜の免疫を高める働きがあり、ビフィズス菌が腸内で作る話酸については、大腸がんを抑制することもわかっています。



